認知行動療法を自分でやってみる

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うつ病は、再発の可能性が高いと言われるから、回復してくると予防する必要性を感じてくると思うんですよね。

うつ病の治療や予防には、認知行動療法を自分でやってみる方法もあると知り、実践してみたんです。

最初は「実際のところ、認知行動療法を自分でやる事ってどうなの?」って、誰しも思うじゃないですか?

今回は、認知行動療法を自分でやり始めてみるとこんな感じだよ!という体験者の考えを書いていきます。


認知行動療法を自分で行う前に、知っておくべき用語の整理
認知行動療法を自分で行う前には、準備として、知っておくべき用語があります。

少しだけ専門用語を知らないと、認知行動療法の体験談を聞いても、「さっぱりわからない」と思うだけになってしまうので、最初に認知行動療法に必要な専門用語を少しだけ説明させていただきます。


① 認知

認知とは、物事の捉え方のことです。物事の捉え方なので、人それぞれ、違うものです。

例えば、目の前に、飲みかけのアイスコーヒーが、グラスに半分入っている状況では、「もう半分しかない」と考える人もいれば、「まだ半分もある」と考える人もいますよね。

どちらが良い悪いではなく、人の認知、つまり物事の捉え方は、人それぞれに違うものなんです。


② 認知の歪み

時々、人は起こった物事を歪んで捉える事があるんです。その状態が、認知の歪みと呼ばれます。

先ほどのアイスコーヒーで、認知の歪みについて説明します。

例えば、半分の飲みかけのアイスコーヒーのグラスを床に落とし、床を汚してしまったとします。

グラス半分の量のアイスコーヒーがこぼれた訳ですから、おそらく店員さんはモップで床を拭いてくれるでしょう。

周囲のお客さんの中には、嫌な思い(「せっかくのリラックス時間を台無しにしやがって」)をされた人がいるかもしれません。

誰かしらに迷惑をかけたこの出来事が起こったとしたら、どういう気持ちになりそうですか?

失敗は誰にでも起こる事
アイスコーヒーを半分は飲めた
迷惑かけたけど、謝罪はできた

このように考えるのが、現実的なところだと思うんですけれど、また違った物事の捉え方をする人もいるとおもうんです。

迷惑をかけるなんて、最低な人間だ
せっかくのコーヒーを楽しめなかった
謝ったって許してもらえないよね

先ほどの考え方よりも、考え方が「ネガティブ」ですよね?

ただ、考え方がネガティブなのが問題ではないんです。起こった物事を現実に起こった通り、捉えているか?ということが問題なんです。


迷惑をかけたからと言って、最低な人間ではありません。アイスコーヒーの半分量は、時間も味も、楽しむことはできました。お店の床を汚しただけなので、謝る以上に、自分ができる事、する必要のある事はありません。

人は、起きた物事について、現実に起きている形とは違って(歪んで)、捉えてしまうことがあるんです。

これが認知の歪みで、現実を歪んで捉える事によって、気分がどんどん沈んでいってしまう事が、認知行動療法では、治療で修正が必要な部分と考えられています。

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③ 自動思考

人の思考は、何か物事が起こった時に、「パッ」と頭に浮かんでくるものですよね。

特に、何か物事が起こった時に、「パッ」と浮かんでくるマイナスな思考を「自動思考」と呼びます。

例えば、僕は夜寝る前に、妻にお願いされたにも関わらず、朝食に合わせて米が炊き上がるように、炊飯器をセットする事を忘れて寝てしまう事があるんです。

よく朝目が覚め、妻がキッチンに行った気配を感じると、僕には次のような自動思考が浮かんできます。

「全てが終わった」
「怒られる」
「頼りにならない夫と思われる」

実際には、怒られる時もあれば、怒られない時もあります。肝心な事は、「パッ」と、どういう思考が浮かんでくるかなんです。

炊飯器の準備をし忘れただけで、積み上げてきた全てが終わる訳はないですよね?必ずしも、妻が怒るとは限りません。頼りになるかどうかは、炊飯器の準備ひとつでは決められないと思います。

ただ、僕はどちらかというと、歪んだ形で現実を捉えては、無意識にマイナスな思考が頭に浮かんできてしまうんですよね。

あなたが、うつ病のような病気や世の中に生きづらさを感じるようなら、歪んだ物事の捉え方(認知の歪み)の影響を強く受けていて、マイナスな思考が瞬時に頭に浮かぶような習慣が、定着していると思います。


④ 認知行動療法

認知行動療法とは、認知(物事の捉え方)と行動をかえる事で、つらい気分を軽減する心理療法です。

何か物事が起きた時に、起こった現実とは違った形で、マイナスに物事を捉えてしまうと、気分が抑うつ的になってしまいます。

現実に起きた出来事を正確に認知できるように思考を切り替えて、行動を修正していこうとする事が、認知行動療法です。


認知行動療法とは?
認知行動療法に関連する用語をまとめ、説明しました。今までの説明の整理をしながら、自分なりに認知行動療法を解釈した内容について、以下に図にしました。


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認知行動療法とは、現実に起きた物事を正確に認知できるようになる事で、自分の中に定着している「パッ」と浮かんできてしまうマイナスの自動思考の修正をしていく。

マイナスの自動思考を修正する事によって、抑うつにしかなれなかった気分の落ち込み、沈み込みを軽減していこうとする治療方法です。

僕は、認知行動療法に関わる本を参考にして、以上のような形で、認知行動療法について理解した後、実践してみることにしました。


認知行動療法を自分で行ったやり方

準備した物
● B5のノート
● 3色ボールペン(赤と青を使う)

頭の中で考えるだけでなくノートに書き出すと、自分が何を考えたか、何を思ったかが整理されやすいので、ノートを使う事はおすすめです。

B5である必要はありません。ただ、B5のサイズが持ち運びが便利で、かつ1ページにそれなりの量の文字を書けるので、B5ノートにしました。

ボールペンは、赤と青が使えた方が良いと思います。

赤は、気分が下がった出来事を書く為に使い、青は、気分が下がった時に考えた事が妥当かどうか、自分の考えに反論する為に使います。


参考にした本
図解 やさしくわかる認知行動療法 

認知行動療法を自分で行う為の本は、たくさん出版されているので、自分が読みやすいと思う本であれば良いと思います。

僕が使った本は、やさしくわかる認知行動療法という本です。

参考にした部分は、自分の気分が下がる出来事が起きた時に、それをノートに書き出して、気分が下がった出来事の捉え方が、客観的に見て「妥当かどうか」を書くようにしました。


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イメージは、気分が下がった時に考えていた事が、客観的に見て妥当な考えでないと思えたら、その考えに自分で反論するようにしました。

個人的な具体例なんですが、例を示した方がわかりやすいと思うので、以下に実際にやってみた方法を書いてみます。

認知行動療法の例

妻が疲れている様子なのに、何も手伝えない自分がいた。いまの自分の存在は、迷惑でしかないと思え、死にたい気持ちになった。

仮に、自分の存在が重荷、迷惑だったとしても、死ぬ必要はない。

うつ病で休職中ではあるが、調子の良い日は夕飯を作ったり、娘を風呂に入れ、寝かしつけたり、助けになっている事もある

意図的にかけた迷惑でなければ、もうしょうがなくない?誰だって、誰かに迷惑をかける事があるし、迷惑をかけながら生きているものだ。


赤で気分が下がった出来事について書き、青で客観的に妥当性のある事実(現実)を書いて、自分の歪んだ認知に反論するようにしました。

僕が思うポイントは、青で書いた客観的に妥当性のある事実(現実)をたくさん書く事が重要だと思います。

今は、ノートに書いて整理しないと、自動的に浮かんでくるマイナス思考に打ちのめされてしまうのですが、続けていくと、自分の頭の中で、マイナス思考にならないように、物事を捉えられる認知に変えていけそうな感じがするんです。


認知行動療法を自分でやってみると、わかった4つの事
認知行動療法を自分でやってみて、4つの事がわかりました。

認知行動療法を自分でやってみると、わかった4つの事
① めんどくさい
② 気分の落ち込みを軽減できる
③ 向いている重症度がある
④ うつ病の人には、向いている


① めんどくさい

認知行動療法は、ダイエット、運動、勉強と同じように、自分で毎日のように振り返りながら行う作業になります。

うつ病の僕には、気分が下がる出来事・タイミングってたくさんあるので、いちいち振り返るのはめんどくさい。

だけど、そのいちいち振り返るめんどくささが重要なんだと思っています。

自分の気分を下げるマイナスの自動思考は、浮かんでは消えていってしまうので、その時に振り返らないと、自分にどういう思考があるから、気分を下げやすいのかがわからないんです。

認知(物事の捉え方)は、今まで30年間付き合ってきた事だと思うので、意識しないと、変えられるようなものではないと思うんですよね。

だから、めんどくさいんですけれど、「自分を変えたい」「自分を知りたい」って思えていれば、続けられると思います。


② 気分の落ち込みを軽減できる

認知行動療法では、たしかに気分の落ち込みを軽減できました。

「そこまで考える必要ないよね?」「考えすぎだよね?」というアドバイスを自分自身で行えるイメージです。

今まで、気分が下がった時に、他人から同じアドバイスを受ける事が多かったんですけれど、ありがたい他人からのアドバイスも、うつ状態の時って、響かないんですよね。

自分では、変えようのない、変わりようのない気分だと思い込んでしまっているので。

認知の歪みや自動思考という考え方の癖がある事を知れただけでも、「そこまで気分を下げる必要がないんだ」「僕の認識は、少しずれている」と、自分で気づく事ができるようになりました。

自分で気づけ、実感した事があると、いままさに気分を下がらせようとしている自分の思考を切り替えるには、どんな方法よりも響くと思います。


③ 向いている重症度がある

認知行動療法を自分でやるには、うつの場合であれば、向いている重症度があるように思いました。

● 診断が付く前のうつ前駆期
● 文字が読める位、集中力が出てきたレベル
● 復職や家事への復帰の段階
● 復帰後の予防の時期

うつ病の場合、抑うつが一番ひどい時には、何をする気にもならないと思うので、医師やセラピストがいない状態で、認知行動療法を自分で行えるだけの行動力は出せないと思います。

あとは、身近に認知行動療法を教えてくれるクリニックや病院がなければ、基本的には、本を読みながら進めていくことになると思うので、文字が集中して読めるようになるまでは、まだ薬物療法でゆっくりされている方が良いのではないかとも思いました。


④ うつ病の人には、向いている

うつ病になるタイプの人は、いわゆる「真面目」「誠実」「几帳面」などと言われる事が多いですよね。

だから、自分でできる認知行動療法は、元々の性格的に、向いていているように思います。

ただし、自分で上手くいかなくても、認知行動療法をやらなくても、別にいいんです。

誰にでも向き不向きはありますし、真面目に考えすぎて、「やらなきゃ良くならない」と思うのも、一方的な物事の捉え方であると思うんですよね。

ほんと、考えすぎず、良い意味でいいかげんに生きたいものです。


まとめ
認知行動療法を自分でやってみた経験談ややり方について、ご紹介させていただきました。

僕も本格的に取り組み始めたばかりですが、気分の落ち込みを軽減できる方法だとは、実感できてきています。

認知行動療法の本を見ると、もっと細かいやり方が掲載されていますが、まずは適当でもいいから、自分の考え方の癖(認知の歪みや自動思考)を知れるだけでも、ストレスを感じた時に、受け取り方が変わってくると思いますよ。

記事の内容が、認知行動療法の理解と気分の落ち込みの軽減に、役立てれば幸いです。





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