作業療法士がコミュニケーション上手

作業療法士のコミュニケーションで傾聴のポイント.jpg

作業療法では、患者さんとのコミュニケーションが重要です。

だからこそ、患者さんに合わせたコミュニケーションの方法で悩む事が、とても多いですよね?

この記事では、作業療法士としてコミュニケーションが上手くなり、患者さんの伝えたい思いや患者さんの考えを汲み取る為の傾聴について書いています。


傾聴のポイントは、3つです。
① 相手の目を見て、話を聞く
② 話にうなずく、相づちをうつ
③ 言葉を復唱する、要約する



治療手段としてコミュニケーションが上手くなる為には、作業療法士自身の主張をするより、患者さんの話を傾聴し、相手を理解する事が最も重要です。


そもそもコミュニケーションとは?

コミュニケーション 傾聴.jpg

コミュニケーションの定義を以下に書きました。

※コミュニケーションとは?
人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。
引用:大辞林 第三版

文章にすると、表現がわかりにくくなりがちですが、お互いを理解し合う手段が、コミュニケーションです。


入院患者さんの気持ちや環境を理解しようとしてみると…
患者さんと、作業療法士では、同じ病院にいる訳ですが、置かれている心理的な環境が違います。

患者さんと作業療法士の心理面と環境の違いを以下の表にしました。

作業療法士のコミュニケーション.jpg

同じようにコミュニケーションをしていても、作業療法士は、いつも働いている職場で、顔見知りの人間関係の中で、要領良く仕事としてコミュニケーションができます。

作業療法士は、安心感と自信を持ちながら、患者さんと関わる事ができます。


一方で、患者さんは初めての環境で、知らない人達ばかりに囲まれて、病院でこれから何をされるのかわかりません。

不慣れな環境には、不安感や警戒心を持ちやすいですし、気分も落ち着かないから、疲れやすかったりもします。

だから、患者さんとコミュニケーションを上手くとっていく為には、患者さんの不安感や警戒心などを取り除く必要があって、その方法が傾聴なんです。

傾聴をしながら、まずは相手を理解していく過程が、作業療法士がコミュニケーションを上手く行っていく時に必要です。


作業療法士がコミュニケーションが上手になる傾聴の3つのポイント
『 作業療法では傾聴が大事 』

教科書でも、学校の先生からも、よく聞かされた言葉ですが、振り返ってみると、作業療法士のスキルとして傾聴の方法を教えてもらった経験はありますか?

僕自身も、過去に担当の患者さんに作業療法を拒否されたり、上手く患者さんと関係性がとれなかった経験から、コミュニケーションの書籍を読みあさっては、臨床の中で色々と実践してきました。

コミュニケーションをする時の傾聴のポイントは、3つあります。


傾聴の3つのポイント
① 相手の目を見て、話を聞く。
② 話にうなずく、相づちをうつ
③ 言葉を復唱する、要約する


① 相手の目を見て、話を聞く

話を聞いてもらっている患者さんからすると、目を見て話を聞いてくれると、自分を理解してもらおうとしているように感じます。

自分が話をしている時に、周囲を気にしてチラチラ視線が外れる人がいますが、「私の話、聞いてくれています?」って、信頼どころか、不信感さえ持ちたくなってしまいますよね?

人間が関心があるのは、いつだって自分なんです。

誰でも
自分に注目して欲しい
自分の話を聞いて欲しい
自分を理解して、受け入れてほしい


だから、話を聞いているはずの作業療法士の視線が、どこか別の方を向いていると、患者さんは「この人は、私に関心がないんだ。」と思わせてしまう事になります。

目を見て話をするという行為は、あなたに関心があります、あなたの事を大事に考えたいと思っていますという意思表示だと考えてください。


相手の目を見て、傾聴するポイント
1.会話の間中、ずっと目を見ている必要はない
2.患者さんが、作業療法士の方に顔を向けたタイミングで目を見る
3.目を合わし続けられない時は、上下左右・斜めどこかの方向を向きながら、両手か両腕を組む(考えている素振りをアピールする)


余談ですが、なぜ視線を合わして傾聴する事を技術的に書くかというと、僕自身が、人と目を合わせて話す事が苦手だからです。

参考にしてみてください。


② 話に頷く、相づちをうつ

目を見て、傾聴する事が、相手を大事にしている意思表示だとすると、頷きや相づちをうつ事は、相手の気持ちを受け入れている行為です。

経験があると思いますが、話をしている時にずっと沈黙されていると、「このまま話を続けて良いものか?」
相手に不安と焦りを与えてしまいます。

僕は、病院の勉強会で講師を任された時、自分の発表に対して、誰も何もリアクションしない時に、同じような圧迫感というか、緊張感のような不安や焦りのような感じて、言葉がどもりやすいです。


話している相手に、不安や焦りを感じさせてしまうと、安心して自分の事を話せなくなるので、「貴方の話を受け入れているんですよ」という反応として、頷いたり、相づちをうつ行為が、傾聴には必要なのです。

たくさんやるとわざとらしくなるので相手が話をしている時に、時々、反応を示してみると、患者さんが自分の話を続けやすいかもしれません。

頷きや相づちを入れ、「話を聞いてもらえている、話続けて良いんだ」と思ってもらえると、患者さんの方から、自分の気持ちを打ち明けてくれますよ。


以下に、患者さんと話をしている時に、相づちを打ちながら、患者さんの問題点をまとめる過程を会話形式にしてみました。

高齢者 .jpg
患者さん


一人でトイレに行けないと帰れないんです。

たぐ 吹き出し用.jpg
作業療法士


    えぇ。   

高齢者 .jpg
患者さん


うちのトイレには、入り口に段差があって…。

たぐ 吹き出し用.jpg
作業療法士


    なるほど。   

高齢者 .jpg
患者さん


段差を越えて、一人でトイレに行けるようになれれば…。

たぐ 吹き出し用.jpg
作業療法士


トイレの入り口の段差を越えられる、トイレまで行ける、トイレで用を足せる事ができると良いんですね?



③ 言葉を復唱する、要約する

作業療法士が患者さんと信頼を作り、治療関係を築いていく為には、聞いた話を復唱する、要約する事が最も重要な傾聴スキルです。

話の復唱や要約がないと、単に話を聞いただけで留まり、今後、どういう方向で治療を進めていこうか、作業療法士と患者さんの間で、目標付けや合意が行えません。


患者さんと話し合いながら、「じゃあ、こうしていきましょうか?」が作業療法を進めていくには、重要なんです。


特に要約は、相手の話を理解していないとできない行為ですし、患者さんの話を組み合わせて、1つのストーリーにする難しいスキルです。

話が長ければ長いほど、患者さん本人も、自分の言いたい事や考えがまとまっていなかったりしますよね?

だからこそ、話の要約をする事で、今の問題や課題を患者さんも、作業療法士も理解したり、共有して、進んでいく方向性を見い出せるのです。


最初のうちは、相手の話を聞くだけで、せいいっぱいかもしれません。

上手く要約できないと、本当に話を聞いていたのか疑わしい時もありますが、話を熱心に聞いてくれている人に、不快な感情を持つ人はいません。

最初は、患者さんの話を、そのまま復唱して、話を聞く余裕ができてきたら、要点をまとめてフィードバックすると、問題解決に向けた信頼関係の為の傾聴が行えると思います。


傾聴の本質は、信頼関係を築く事

コミュニケーション 傾聴 信頼関係.jpg

信頼関係もない状態で、患者さんは、作業療法士に本音なんて話さないし、本質的な信頼関係は築けない場合も多いです。

家族にだって、本音を話せない事もありますよね?僕は、その位の心構えがちょうど良いと思っています。

人生経験を重ねれば重ねるほど、人を見る目が肥えてくるものです。

「この人、たぶん僕の話に興味ないな。」と患者さんが自分の事を大事にされていないと思えば、肝心な事は、すぐに話したくなくなります。

だからこそ、警戒心や不安感をとり、信頼を築こうと傾聴するスキルを学んで、作業療法でコミュニケーションを図れるようになっていく必要があると思います。


まとめ
コミュニケーションを取り、信頼関係を築く為には、話しをするよりも、話を聞く傾聴が重要です。


傾聴のポイントは3つ。
① 相手の目を見て、話を聞く
② 話にうなずく、相づちをうつ
③ 言葉を復唱する、要約する


患者さんの気持ちや考えを上手く汲み取れるようなコミュニケーションがとれるように、紹介した傾聴のスキルが役に立つと思います。

ぜひ、実践してみてください。





この記事へのコメント